髪の毛は非常にデリケートで、日頃の食事や睡眠時間などのさまざまな影響を受けながら成長しています。
また、ストレスを受け続けることも髪の毛の成長に悪影響を及ぼすと言われています。
仕事などのストレスを過剰に抱えている方の中には「ストレスでハゲそうだ・・・」という言葉を口にする方も少なからず存在します。
実際にストレスを抱えることで、薄毛やハゲになることはあるのでしょうか?
今回はストレスと薄毛・ハゲの因果関係に関して詳しくみていこうと思います。
ストレスとは・・・
そもそもストレスとは日常生活において肉体的・心理的に負荷のかかった状態のことを意味します。
ストレスと言えば、あなたはどのようなものをイメージするでしょうか?
大半の方は仕事(プレッシャー、ノルマ、上司との関係など)や人間関係、金銭問題などを挙げると思います。
これらは全てマイナスイメージ(嫌なこと)のものばかりですが、実は楽しいと感じることもストレスに含まれるのです。
例えば、好きな異性とデートをすることや休日に友人と遊びに行くのも、さらには仕事で上司に褒められるなども全てストレスに含まれます。
全然ストレスを感じないのも問題です
そのため、日常生活において全然ストレスを感じないという生活は、実は身体の健康には良くないのです。
ストレスが全然ないということは、楽しいことや嫌なことのどちらも感じていないということなので、刺激がなさ過ぎて、逆に体調不良に陥ることがあります。
そのため、心身の健康を維持するためには適度なストレスを感じる生活が理想的です。
年代別ストレスの原因
ストレスはさまざまな要因があることが分かりましたが、ここでは年代別に分類してどのようなストレスを抱えやすいのかを解説していきます。
大学生のストレス
大学生が抱えるストレスは特に恋愛関係が多いのではないでしょうか?
受験勉強から解放されて自由な時間をたくさん手に入れることができるので、恋愛などに夢中になる時期です。
その他には友人関係や就職活動によるストレスも抱え込みやすくなります。
20代・30代のストレス
社会人としての自覚を持って働いている時期です。
中でも一番多いのが仕事関連で生じるストレスです。新しい仕事を覚えたり、毎日の通勤ラッシュ、長時間の残業などでストレスを抱える方が多いです。
また、結婚をすると家庭を支えるという責任感も生まれることからもストレスを抱える方もいます。
40代のストレス
40代はある程度キャリアを積んでいる年代なので、職場での責任がより一層重くなってきます。
ある程度従業員を抱えている企業であれば、出世競争などに悩まされることもあると思います。
また、結婚している方なら夫婦関係や子供の育児などもストレスになることも多いです。
50代のストレス
50代は責任あるポストを任されている年代です。子供も大きくなって家を出て行くことによる寂しあを感じることもあると思います。
また、更年期障害を患う年代に差し掛かるので、体調不良によるストレスを抱えるケースも多くなってきます。
ストレスに強い人・弱い人
同じストレスを受けても心身に影響が現れる人とそれほど影響が出ない人が存在します。
簡単に説明すると、ストレスに強い人と弱い人に分類できます。
ストレスに弱い体質の方は他の人達よりもストレスによる心身の影響が現れるケースが多く、慢性的にストレスを感じる傾向があります。
では、ストレスに弱い方とは一体、どのような方が挙げられるのでしょうか?
完璧主義・責任感が強い
大まかな部分だけでなく細かい部分までしっかりとやりきらないと気が済まないタイプや、他人から言われたことを責任を持って最後までやり遂げるというタイプはストレスに弱い傾向があります。
ある一定のレベルで妥協することができないので、何かと不満に感じることが多くなり、ストレスを抱えやすいです。
自己主張が少なくて相手に合わせる
普段からあまり自己主張をしないタイプも要注意です。
例えば、自分は行きたくないのに友人の誘いを断り切れずに我慢して参加したり、自分の意見を主張せずに、周りの意見に賛同するようなタイプもストレスを抱えやすいと言えます。
感受性が強い
他の人よりも感受性が強いタイプも気を付けましょう。また、神経が細やかな人も同じタイプだと言えます。
周りの人達がそれほど気にしていない出来事であっても感動したり、些細なことにも気付いて色々と考えたり心配する方もストレスを抱えやすいですね。
ちなみにストレスに強い方は、上記で紹介した逆のタイプだと考えて下さい。
ストレスが及ぼす悪影響
日頃からストレスを受け続けていると、身体に様々な悪影響を及ぼします。
食欲不振
ストレスを過剰に抱えていると満腹中枢が活性化されるため、長時間食事をしなくても食欲が湧かなくなることがあります。
また、長時間ストレスを感じ続けることで交感神経が優位に作用することで、胃や腸の消化機能が低下することでも食欲不振に陥ることがあります。
頭痛
長時間のストレスによって緊張状態が続くと、頭痛を引き起こすこともあります。
自律神経が乱れることで頭痛が起こります。
時々頭痛が起こる症状を「反復性緊張型頭痛」といい、毎日続く頭痛を「慢性緊張型頭痛」といいます。
集中力の低下
ストレスによる緊張状態が長時間にわたって続くと、血中のストレスホルモンの分泌量が増加して、疲れやすくなったりイライラすることが増えて集中力が低下することもあります。
また、交感神経が優位になっていて、集中力だけでなく記憶力も低下してしまいます。
薄毛・ハゲとの関係・原因とは
また、ストレスを溜め込むことで、抜け毛が増えて薄毛になってしまう恐れもあります。
血行不良
ストレスを抱えていると交感神経が優位になり、自律神経が乱れることが分かっています。
その結果、体内の血管が収縮して血行が悪くなってしまうのです。
髪の毛は毛細血管から栄養を吸収して成長するため、血行が悪くなってしまうと栄養の吸収が悪くなって髪の毛に栄養が行き届かなくなります。
睡眠不足
過剰にストレスを抱え込んでいると寝付きが悪くなり、睡眠不足になってしまいます。
髪の毛はあなたが寝ている時に一番成長します。特に髪の毛の成長する時間帯としては22時~2時だと言われています。
この時間帯に深い眠りに就くことで成長ホルモンの分泌が盛んになり、髪の毛がしっかりと成長するのです。
ストレスによる円形脱毛症
ストレスによって薄毛やハゲになる症状として多いのが円形脱毛症です。
過剰にストレスを抱え込むことで交感神経が優位になる状態が継続することによって、血管を収縮させて頭皮の毛根までしっかりと栄養が行き届かなくなります。
その結果、ある一部分だけ抜け毛が進行して円形脱毛症になることがあります。
ストレスが原因で円形脱毛症になった場合は、ストレスを取り除くことで容易に改善できます。
10円玉や500円玉程度の円形脱毛症であれば、半年~1年程度で自然に治ることが多いです。
AGAとの関連性はあるの?
ここで気になるのがストレスとAGA(男性型脱毛症)との関連性です。
結論から言いますと、AGAは遺伝的な要素が大きいので、ストレスとの直接的な因果関係はありません。
但し、上記でも紹介しているように、ストレスを抱え続けることで交感神経が活発になって血管が収縮するため、頭皮に必要な栄養が行き届かなくなってしまいます。
その結果、AGAの症状が現れている方は、通常(ストレスを抱えていない状態)よりも薄毛の進行度合いがスピードアップする恐れがあります。
つまり、ストレスを抱え続けている方はAGAの進行をより早めてしまうのです。
参考文献:ストレスが被毛成長に及ぼす影響について
ストレスの改善・対策
抜け毛や薄毛が進行している場合はストレスによるものなのか、あるいはAGAによるものなのかを見極める必要があります。
ストレスが原因で抜け毛が増えていると感じる場合は下記の方法を試してみて下さい。
食事
日頃の食事を工夫することで、ある程度はストレスに強い身体を作り上げることは可能です。
ストレスを抱えると、ビタミン類(B、C、E)、タンパク質、カルシウム、マグネシウムなどが体内で消耗されやすくなります。
そのため、これらの栄養素を意識して摂取するようにしましょう。
ビタミンCは小松菜や柑橘類、ビタミンEはアーモンドやブリ、かぼちゃなどに含まれています。
そしてカルシウムは牛乳や小魚、納豆に多いですね。マグネシウムは納豆やほうれん草などに豊富に含まれています。
よく笑う
簡単にストレスを発散したいのであれば、意識して笑うようにしましょう。
人間は笑うことで交感神経と副交感神経のバランスを保つことができ、精神状態が安定します。
エンドルフィンという物質が分泌されてリラックスしたり、ポジティブ思考になりやすいというメリットも挙げられます。
仕事中に笑うことが難しい場合はバラエティ番組を観たり、友人と遊びに行くなどして思いっきり楽しんで笑って下さい。
クスクス笑うよりも大きな声を出してお腹の底から笑うとより効果的です。
また、作り笑いでも効果があります。口を大きく開けて「アハハッ!」と笑って下さい。
入浴
ストレスを発散したいなら入浴も効果的です。
普段からシャワーだけで済ませている方はゆっくりと湯船に浸かるようにしてみてください。
湯船に浸かることで身体が温かくなったり程よい浮揚感によって、リラックスすることができます。
リラックスすることで脳内のβエンドルフィンやセロトニンの分泌が促されます。
この二つの物質は、ストレスを感じたときに分泌されるノルアドレナリンを抑える働きがあります。
AGAが加わっている抜け毛・薄毛の改善方法
上記の方法を実践しているにも関わらず、全然抜け毛や薄毛の進行を食い止められない場合は、AGAが進行している可能性が高いです。
ストレスだけでなくAGAも加わっている抜け毛・薄毛の場合は育毛剤を試してみましょう。
育毛剤は育毛ケアを実施するために開発された商品で、抜け毛を予防したり、頭皮の血行を促進したり、頭皮環境を整えることができる成分が配合されています。
AGAの初期症状であれば、育毛剤でケアをすることでAGAの進行を抑えて、抜けにくくて太い髪の毛に成長させることができます。
AGAクリニックで薄毛治療を受ける
但し、AGAの症状がある程度進行してしまっている場合は育毛剤では改善することは難しいです。
そのような場合はAGAクリニックなどで薄毛治療を受けることをおすすめします。
育毛剤でケアをするのか、あるいはAGAクリニックで薄毛治療を受けるのかの基準としては、頭皮が目立ち始めているかどうかです。
例えば、薄毛が進行して周りからも薄毛を指摘されているのであれば、AGAクリニックで薄毛治療を受けましょう。
AGAクリニックで薄毛治療を受けるとなると、治療費用が気になると思います。
薄毛治療における費用はあなたの症状によって大きく異なります。
症状が比較的軽い場合はミノキシジルやフィナステリドなどの医薬品で改善できるので、月に10,000円~20,000円程度で抑えることができます。
逆に医薬品でも改善できないほどAGAが進行している場合は育毛メソセラピーなどの施術が提案されます。
育毛メソセラピーとは頭皮に直接有効成分を注入する施術方法です。
クリニックによって施術費用は異なりますが、1回の施術で5万円程度かかります。
そして数回施術を受けなければいけないので、トータルで30~50万円程度の費用がかかります。